Skip to main contentBlack Music Album Review

シスタ・ラップ・バイブル / 著者 Clover Hope

Book Review

シスタ・ラップ・バイブル

ヒップホップを作った100人の女性

sistarapbible

著者

Clover Hope


訳者

押野素子


出版社

(株)河出書房新社


ページ数 / サイズ

238ページ / 19 x 1.8 x 22.6 cm


発売日

2022/2/28


定価

2990円(税抜き)

-さあ、男たちに見せつけてやろう 熱いパーティ・ショウでナンバーワンになる方法-

70年代から、最近に至るまで、その時々で活躍していた女性Rapper100人強を、時系列的に紹介してくれている一冊。 ① 数ページを割いているメインなアーティストがMC Sha-Rockから、Cardi Bまで、41人/グループ。② 1ページなのが10人/グループ。 ③ 残りは、1ページに数人/グループまとめてと、強弱がつけられている。 近年、活躍しているLizzo, Megan Thee Stallion, Doja Catあたりが③の扱いで、SZA, Rapsodyなどがそもそもカバーされてないのは ちょっと残念だが、そこを勘案しても十分に楽しめる本になっている。
特に①②でカバーされているアーティストについては、冒頭にNEVER(功績)、WHO SHE IS(略歴)、LISTEN(必聴トラック)の欄があるので、 理解が進むし、必聴トラックをストリーミングで聴きながらという、読み方もできる。
アーティストの紹介文は、平易で判りやすく、古めの人でも、きちんと掘り下げているところは好感がもてるし、知識が深まるのでありがたい。 筆者が女性なので女性視点なところがあるのも特徴的だ。 また、女性Rapperというと、どうしてもSexy系で売り出していた人が多いのだが、きわどいLyricも平然と紹介されたりしている。 女性Rapper第一号は誰だ?論争があったというのも、面白かった。
一通り読んで、あらためて、歴史を振り返ってみると、男性優位のHip-Hop界において、目立った女性アーティストは 一時点で一人という時代が続いてきて、最近やっと勢力図を広げているのがよくわかり、これもジェンダーレスの時代ならではなのかなと思った。