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歌と映像で読み解くブラック・ライヴズ・マター / 藤田正

Book Review

歌と映像で読み解くブラック・ライヴズ・マター

blacklivesmatter

著者

藤田正


出版社

(株)シンコーミュージック


ページ数 / サイズ

272ページ / 15 x 2.1 x 21 cm


発売日

2020/11/26


定価

2000円(税抜き)

- コブシ・突き上げ、黒い肌は・怒る! ブラック・ライブズ・マター運動はアメリカ崩壊の兆しか? ビリー・ホリディ、ジェイムス・ブラウン、スパイク・リー、エヴァ・デュヴァネイ、アイス・キューブ、ビヨンセらの歌と映像から説き起こす現代アメリカの真実! -

最近、流行りのBLM本の一つ。南北戦争をから公民権運動を経て、現代にいたるまでのアメリカ黒人がすこしづつ人権を得ていく歴史における、人種差別およびこれへの抵抗、アクティビストたちやBLMの活動などについてのいくつかの出来事を取り上げ、深堀している。
”歌と映像で読み解く”という枕詞にはなっているが、あくまでもメインは出来事のほうではあり、その時の時代風景が映画や歌でどう表現されているかについて描くことによって、事実が厚みを増してくる。なので、"歌と映像"に期待しすぎると肩透かしを食うかもしれない。 ただ、逆に”歌と映像"についての記述が加わることによって、重たい内容を少し柔らかくする効果がある気がする。
また、出来事の並びが時系列的ではなく、同じ章の中でも時代を行ったり来たりするので、少し散らかった印象を受け、本一冊としての塊のような主張が判りにくくなっている。
著者ご本人がアメリカでの生活で受けた人種差別的エピソードを加えることによって、リアリティは増しているし、日本人だからと言って他人事とは言えないことを思い知らされる。